大人の教養2 私たちはいま、どこにいるのか? 要約

パリのルーブル美術館はもともと十字軍遠征でパリを留守にするフィリップ2世が要塞として作った建物で、その後宮殿になった時期を経て美術館になった。

 

  1.  AIとビッグデータ~人間には何が残されてるのか~
 〈AIとは〉
 現在のAIは「特化型人工知能」にとどまっている。これは特定の分野にたけているもので、たとえば将棋をするAIは将棋しかできないということだ。これの対義語が「汎用型人工知能」で、人間のように自律的に行動し様々な能力を発揮するAIである。人間の脳の神経細胞のつながりをシュミレートした学習方法である「ディープランニング」を用いれば、「技術的特異点」=「シンギュラリティ」が2045年には起こるとされている。それは、AIでいえば人間の知能を凌駕するような画期的なAIが生まれることである。
 
 AIは「意味を理解できない」ということが課題となっている。人工知能の東ロボの君は東大に受からせるためにつくらっれたのだが国語の問題では点数をとれなかったのだ。これは東ロボ君が文章を理解できていないことによる。ではなぜ理解できないのかというとAIは文章に出てくる単語の組み合わせを統計的に理解している(アルゴリズムからである。
 
 〈『1984年』化する中国〉
 中国ではキャッシュレスであるアリペイが普及しているが、アリペイの会社アリババの創業者、馬雲は中国共産党の一員であることを公表した。つまり馬雲から共産党にアリペイのビックデータである「セサミ・クレジット」を流しているということである。また、中国では顔認識の技術が普及している。街中で指名手配犯が防犯カメラに映ると、あらかじめ用意してあったデータと照合してその犯人の位置情報を特定でき逮捕に至ることができる。この例としては、レジャーランドの入場の時に顔認証が必要なのを利用して、ビッグデータを持つデータと照合したところ複数の犯人を逮捕できたとのことだ。さらに中国では音声だけで個人を特定できるシステムが作られている。これを使えば、公衆電話などを使う指名手配犯を特定することができてしまう。このようなことは日本では起こりえないと思うが、AIの分析力とビッグデータにキャッシュレス社会が結び付くと、国民すべての行動も、共産党一党独裁の中国であれば可能になることを頭に入れなければいけない。
 ジョージ・オーウェルはかつて『1984年』で監視社会のディストピアを描いた。これが現実化しようとしているのが今の中国だ。
 

 2.キャッシュレス社会と仮想通貨~お金はどう変わろうとしているのか~

  • ATMから出てくるお金がホンノリあったかいのは中で消毒しているから。
  • 中国のような新興国は段階を踏まずに一気に最先端のシステムや技術、サービスが広がっていくことがある。これを「リープフロッグ」という。アフリカ諸国などインフラが整っていないほどこういった革新が広まりやすいが、日本など整ったくにほどこういった革新が進みずらいのだ。
  • 仮想通貨は法律で定められたお金ではない。だから「暗号資産」と金融庁は読んでいる。仮想通貨のメリットは海外送金だ。現金だと手数料などが多くかかるが、ビットコインだとほとんど手数料もかからない。キプロス危機があったときにEUIMFキプロスの国民の預金から課税をして借金を取り戻そうとした。金をとられる前に海外に金を送金したいと思ったキプロス国民が目を付けたのがビットコインだった。上記の通り手数料が非常に安く多くの関心が上がった。この事件を経て、ビットコインの価格が高騰したのある。
  • まとめ→メリット:送金が簡単 デメリット:価値の増減が激しく安定しない。
 3.想像の共同体~なぜ民族紛争が起きるのか?
  • 「人種」とは生物学的に分類されたもの。例えば日本人や中国人はネグロイド、など。「部族」は血縁や地縁に基づいたグループのこと。
  • ユダヤ教に改宗するためには学科試験と実技試験の二つの試験を突破しなくてはならない。学科試験ではヘブライ語で聖書を読めるかが問われ、実技試験では「子ヤギをその母親の乳で煮てはならない」という戒律の元、キッチンを改造する必要がある。この試験に合格し見事ユダヤ教に改宗したので有名なのはトランプの娘イヴァンカである。
  • ユダヤ人が散り、ばらばらになったことを「ディアスポラ」という。
  • ユダヤ人であるという規定はその人がユダヤ教を信仰しているかどうかにある。

 4.地政学~地図から見える大国の本音とは?~

  • 新興国が急激に成長して覇権国を脅かすことになり、緊張が高まり戦争になる可能性が高くなることを「ツキジデスの罠」という。
  • 中国は一帯一路構想の下新興国に多くの設備投資をした。しかし、それらの国は身の丈に合わない借金をしてしまったために返済ができずその結果、整備されたフラを中国に奪われてしまうのだ。
  • 北方領土はロシアでは「南クリル諸島」と呼ばれている。

 5.ポピュリズム~ブレクジットとトランプ現象をどう読むか~

  • ポピュリズムとは議論を尽くすよりも、大衆が喜びそうなメッセージを発信して、支持を集めていく政治スタイルのこと。事実やデータを無視して扇情的なメッセージだけを繰り返すトランプは典型的なポピュリストといえる。
  • イギリスの正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国
  • イギリスがEUを離脱したいのは移民が嫌だから。メイ前首相は再びアイルランド紛争が起きないように北アイルランドアイルランドの国境は規制を設けないことにした。しかし、それではまだEUに加盟しているアイルランドから移民が流れてきてしまう。結局離脱が意味をなさなくなってしまう。

 6.日本国憲法~何が今、焦点になっているのか?~